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コミュニティは3種類!今地域に求められる新しいコミュニティの作り方とは?

ちゃぼけん

地域コミュニティの弱体化が各地で深刻化しています!

そんななか、今、新しい地域コミュニティのカタチが求められています!

新しい地域コミュニティのカタチとはどのようなものなのか?
それを作っていくためには何をしないといけないのか?

これらを解説していきます!

既存のコミュニティは3種類しかない

今のコミュニティは大きくわけて3種類しかありません。

それは
「地縁型コミュニティ」「テーマ型コミュニティ」「ネット型コミュニティ」です。

現在、地域で暮らす人は
「地縁型」「テーマ型」「ネット型」の3つのタイプのコミュニティに属しています。

地縁型コミュニティとは?

「地縁型コミュニティ」は、
同じ地域に住むことで生まれる「地域の縁」でつながるコミュニティです。

代表的なのは町内会や子ども会などです。

旧来の地縁型コミュニティは人と人とのつながりがとても強く、
そのため、過干渉的であったり、しがらみや煩わしさを感じる人も多く、
特に若い人ほど敬遠しがちになっています。

さらに、都市化が進めば進むほど、縁が薄くなり、
都市部では自治会の加入率の低下が問題になるなど、
多くの地域でこの地縁型コミュニティを機能するのが困難になりつつあります。

また、地縁型はコミュニティとして維持していくことが困難になってきており、
なかには行政頼み、補助金頼みの場合も多く、
自主的に地域課題を解決しようとするコミュニティとは言えない地域も多いです。

なお、会社や学校などのコミュニティは
業務・学修内容という「テーマ型」の要素もあるものの、
「縁」をベースにしたものということで、地縁型の延長線上に位置づけます。

テーマ型コミュニティとは?

居住地とは無関係に、
興味・関心の対象によってつながるのが「テーマ型コミュニティ」です。

スポーツや音楽、読書、料理など趣味や自分が好きなこと、興味のあることを通して、
いろんな人とつながり合うことができるのが、
テーマ型コミュニティと良いところです。

それだけではなく、子育てやジェンダーなどの悩みからつながるコミュニティ、
子ども食堂やボランティアと通してつながるコミュニティなども、
テーマ型といえるでしょう。

テーマ型コミュニティ参加のハードルが下がったこともあり、
人が自由に複数のコミュニティを行き来しながら、
一つに依存することなく、様々なコミュニティを楽しむ時代になっているのです。

ネット型コミュニティとは?

インターネットやSNSの進化により、
自分と興味関心が近い仲間やコミュニティと
物理的な距離を超えて会える機会が爆発的に増え、
個人が属するコミュニティの数は増えています。

このようなコミュニティを「ネット型コミュニティ」といいます。

X(旧Twitter)で何万人のフォロワーがいる、
FacebookやInstagramでたくさんの友達と繋がっている、
といった形で今までには考えられないくらいの数の人達と
簡単につながることができるようになりました。

そのなかには直接会ったことがない人も大勢いると思います。

いまやネット型コミュニティは現代人にとって、
無くてはならないものになりつつあるのです。

程良い関係のコミュニティとは?

旧来の地縁型コミュニティは
「強いつながり」すなわちstorong ties(ストロング・タイ)があります。

一方、ネット型コミュニティは
「弱いつながり」すなわちweek ties(ウィーク・タイ)によって、
大勢の不特定多数と繋がっています。

地縁型コミュニティはもう必要ない?

今の時代はインターネットの発達により、
どこにいても誰とでも繋がれるようになりました。

実際に自治会や町内会などの地縁型コミュニティの加入率は低下していっています。

今はもう地縁型コミュニティは必要ないのでしょうか?

やっぱり、地域のつながりも大事!

テーマ型コミュニティへ参加しやすくなったことで、
地縁型コミュニティの重要性が薄まっていたり、
無関心な人が増えているかというと、実はそうではありません

日本各地で地域課題解決のワークショップを行っていますが、
どこでも必ず、地域の「つながり」の不足に関する課題が住民から上がってきます。

特に大学生など若者の中では、
地域のなかで「根を張りたい」「深くつながりたい」、
そんな思いが強まっている印象があります。

多くの若者がSNSなどのつながりではまかないきれない、
地域のつながりの大切さに気づき始めているのです。

それでも、若者が地域コミュニティに関わらない理由

ではなぜ自治会や町内会などの地縁型コミュニティの加入率は
低下し続けているのでしょうか?

それは多くの若者が昔ながらの地縁型コミュニティのあり方
不安や不満を覚えているからです。

  • 「関わり方がわからない」
  • 「一度関わると中途半端なことはできない」
  • 「拘束時間が長いのではないか?」
  • 「理不尽な人間関係があるのではないか?」

多くの若者が地縁型コミュニティについてこのように考えています。

以前述べたように、地縁型コミュニティは今、制度疲弊を起こしています。

そのため、今は新たな地域コミュニティのカタチが必要となっているのです!

地域に必要な新たなコミュニティとは?

では、地域には貢献したいけど、地縁型のコミュニティには抵抗のある若者を
どう取り込んでいったらいいのでしょうか?

今、地域に必要なのは、地縁型とテーマ型の2つが融合した、
ある特定の地域課題を解決するために集まるタスクフォース型コミュニティです。

「タスクフォース」とはもともとは軍事用語であり、
特定課題に取り組むための特別チームを意味する。

タスクフォース型のコミュニティは、
地縁型のように地域に深くコミットするのですが、
テーマ型のように出入りも自由であり、義務的なものもありません

  • 自分がサーフィンを楽しむ海岸のビーチクリーンの活動
  • ガーデニング好きが集まる中央公園の植栽チーム
  • 子育ての悩み共有の会
  • 認知症の当事者が集う会 など

自分の得意な領域、関連する領域のコミュニティへの参加は
多くの人によってハードルが低い
です。

また、障害のある子どもを育てる方、認知症のある人、LGBTなど、
辛い経験や苦しい病気などに悩む人が、
近隣に暮らす同じ境遇の当事者と出会い、
つながることで救われることは多いです。

まちづくり領域だけでなく、福祉の領域でも、
こうしたコミュニティが増えており、重要性が高まっています。

最初は自分の興味関心でタスクフォース型に参加したとしても、
その場と通じて、様々な方と知り合うことで、
自然と地縁型コミュニティのつながりも深まることになります。

それを機に、
お祭りや催事、防災・防犯などの地域活動に参加する機会も増えることでしょう。

地域と縁が薄い移住者や若い人にとっては、
タスクフォース型コミュニティは
地縁型コミュニティへの入り口としての役割も果たします。

新たなコミュニティを作る方法

テーマ型コミュニティは原則的に、
個人の「やりたい」から生まれるものなので、自然発生的に生まれます。

そこで、ここでは地縁型コミュニティを強化・再生する、
タスクフォース型コミュニティをつくるために必要な3つの技術
を紹介します。

対話の場をつくる技術

「対話(ダイアログ)」とは、
他者との言葉のやり取りを通じて、お互いの関係を深め、思いを共有し、
ともに活動する原動力を生み出す手法
のことです。

昔ながらの地縁型コミュニティでは、
暗黙の了解で活動が進み、実は参加者間で思いがずれているケースが多いです。

地域の課題や未来の方向性について、
ゼロから本音で話す対話の場は、
地縁型コミュニティを再生し、活性化するためには大切です。

一からタスクフォース型コミュニティをつくるためには、
そのタスク(地域の特定課題)に関連する様々な深い思いを
共有するための場づくりが必要不可欠なのです。

声を聴く技術

未来ビジョンをつくるための、
商店街活性化のための、
認知症の当事者が思いを語り合うための、
そんな特定の目的のためのコミュニティを作っても、
参加してもらい人がすぐに参加してくれるとは限りません

そんなときに大切なのが、
参加してもらいたい人(その課題の当事者や課題解決のキーマン)の
深い思いを聴く機会
を持つことです。

一人ひとり丁寧に話を聞くことで、
その人の思いを理解することができ、あなたとの関係が築かれ、
タスクフォースに参加してもらえる可能性が高まります。

地図を描く技術

自分自身、家族や仲間、自然環境、地域社会、日本、世界各地で起きている
事象同士の関係性、つながり、お互いの影響を示した大きな地図を描く技術です。

自分と自分の周りの小さな世界だけを見ていては、
そのタスクの背景や深い構造、根本的な原因を見逃してしまいます。

多様な価値観のメンバーが1つのタスク達成に向けて行動するためには、
参加者同士の目に見えないつながりの構造を理解し、適切に対処する必要があります。

これはコミュニティのリーダーや促進役に求められる技術です。

地域には新しいコミュニティが必要!

地域は今まで自治会や町内会などの地縁型コミュニティが支えてきました。

しかし、この昔ながらの地縁型コミュニティは既に制度疲弊を起こしており、
さらに、しがらみややしきたり、やこしい人間関係などによって、
若者たちは地域貢献をしたくても、敬遠してしまう事態となっています。

結果として、地縁型コミュニティの参加率は各地で減少傾向であり、
このままでは地域を支えるコミュニティが崩壊する危機となっています。

地域によっては、この地縁型コミュニティが形骸化しており、
行政頼みや補助金頼みで組織が維持されており、
自主的に地域の課題を解決しようとしないものまで存在します。

このため、今後地域に必要になってくるのは、
地縁型とテーマ型を融合したタスクフォース的なコミュニティとなります。

この新しいコミュニティの存在によって、
若者は地域の活動に参加したり、地域貢献のための行動を起こしやすくなり、
結果として地域の発展へと繋がっていくのです。

好きな地域のために、好きな人たちと好きなことをする

これこそが今後の地域を救うコミュニティづくりのヒントになります。

あなたは、自分が住んでいるまちで本当に「やりたいこと」をできていますか?

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参考文献

実践 地方創生×SDGs 持続可能な地域のつくり方-未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン-
(英治出版|筧裕介著)

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