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“人口減少時代のまちづくり”で絶対に必要な考え方「6S」とは?これから求められる地方創生の方法

ちゃぼけん

まちづくりをしていくうえで大切なことは何だと思いますか?

実はこれからのまちづくりには「6S」が必要とされています。

これが上手くいっているまちや地域のまちづくりは成功しますが、
そうでないまちや地域は残念ながらこれからどんどん衰退していくと思います。

この記事では人口減少時代のまちづくりを実施する上で
必要とされている考え方について解説していきます。

まちづくりに必要なものは、時代によって変化する!

これまでの人口“増加”時代のまちづくりに必要だったこと

日本の人口が増加している時代や、
都市に人口が大量に流入していた高度経済成長期など、
ひと昔前の日本のまちづくりはとにかく
道路や建物などをどんどんと造っていく必要がありました。

そうしないと道路が渋滞したり、住む場所や働く場所がなくなってしまうからです。

もちろん道路や建物をたくさん造るにはたくさんのお金が必要になりますが、
人口が増加していたため、財政も潤っていて今とは違いとても余裕がありました。

それよりもむしろ土木工事や建築工事をたくさん生み出すことで、
多くの雇用を生み出すことができ、まちも国も人も豊かになっていきました。

これからの人口“減少”時代のまちづくりに必要なこと

しかし、今は人口が減少していく時代です。

多くの地方のまちは少子高齢化の問題に頭を悩ませており、
税収も右肩下がりになっており、老朽化したインフラが修繕できないほど、
切迫している自治体もあるほどです。

こんな時代に求められているのは、
一昔前のような公共事業を次々と行っていきながら、
地域を発展させていくまちづくりではありません。

それでは、
この人口減少時代に必要とされているまちづくりの考え方とは
どのようなものなのでしょうか?

“人口減少時代のまちづくり”で必要な「6S」とは?

人口減少している今の時代のまちづくりに必要な考え方は「6つのS」です。

それではそれぞれいていきましょう!

①スロー(slow)なまちづくり

スローとはもちろん「ゆっくりな」という意味です。

人口減少時代では道路や、住居や施設などの建物、インフラなどが
まちに不足しているわけではないので、
災害後のような緊急事態を除いて、
急速に発展してくようなまちづくりは必要ありません

むしろ急速なまちづくりは、かえってまちに今あるものを破壊し、
地域の文化や歴史が失われてしまったり、
自然環境が悪化したりする危険性があります。

急速な発展により、新しいものや人が一気に地域へ入ってくることで、
既存のコミュニティが崩壊してしまう可能性もあるのです。

例えば、「大型の商業施設ができたことで、地元の商店街が寂れてしまった」
というのは良く聞く話。

ショッピングモールなどの大型商業施設ができて、
「買い物が便利になった」「新しお店が家の近くにできる」「これでまちが発展する」
と喜ぶ人も大勢いますが、
実際のところ、今までは歩いて商店街に行けていた人たちが
車で買い物にいかないと行けなくなってしまった、という問題が生じてしまいます。

これは車が運転できない高齢者などにとってはとても深刻な問題であり、
このような人たちのことは
「買い物難民」「買い物弱者」「買い物困難者」と言われています。

さらに深刻なのはその大型商業施設がまちから撤退した後のことです。

大抵の場合、このような大型商業施設は地元企業ではなく、
外部の会社が経営母体となっているため、
収益が見込めないと判断した場合、
すぐにそのまちから撤退してしてしまいます。

大型商業施設ができた数年後、
その大型商業施設がまちから撤退してしまい、
地元商店街も失われ、「まちには何もなくなってしまった」と嘆いても、
もう後の祭りです。

何かが作られるということは同時に何かが失われる、ということです。

そして一度失われたものはもう二度と元には戻りません。

さらに、このような急速な変化に対応できない人たちは、
とても不便な思いをしてしまいます。

このような理由から、急速な変化が伴うまちづくりを避け、
まちの目指すべき姿に向けてゆっくりと進んでいけるようなまちづくりのあり方が
今求めれれています。

②スモール(small)なまちづくり

人口減少時代のまちづくりには、
高度経済成長期で行われていたような
山を切り拓いたり、海を埋め立てたり、
森や田んぼを破壊して行うような大規模開発はあまり必要ではありません

なぜなら土地や建物は十分に余っているからです。

高度経済成長期には、
大規模なニュータウン開発やリゾート開発が頻繁に行われていましたが、
今ではとても少なくなりました。

これは日本が不景気になって投資が少なくなったという理由もありますが、
そもそもニーズが減っていっていることが大きな理由です。

それよりも今の人口減少時代に必要なのは、「小さなまちづくり」です。

それは空き家や空き店舗をリノベーションして
新しい息吹を吹き込みまちを変えていく取組りだったり、
人のつながりによって進めて行くまちづくりのカタチです。

大規模な開発が「ハードなまちづくり」であれば、
こちらは「ソフトなまちづくり」と言えるでしょう。

ひとつひとつは小さな行動であっても、
それがまち全体でたくさん行われていくことで、
まちを変えていく大きな動きとなっていきます。

③ソーシャル(scial)なまちづくり

ではなぜ、今でも大規模開発や急速なまちづくりが推し進められているのでしょうか?

それはデベロッパーや不動産屋、建設会社など、
開発に関わる業者が大儲けできる、というのが最大の理由です。

とても自然豊かな地域に、突如、大型開発が持ち上がったが、
「このままでは、まちや自然が破壊されてしまう」と怒った地域住民が
その開発を反対した、というケースを度々見聞きします。

ある一部の人のためだけに行われるまちづくりは、今の時代は必要とはされません。

売り手(作り手)、買い手(お客)、世間(地域)にとってプラスとなる
「三方よし」の考えが今のまちづくりには必要なのです。

また今、世間を騒がせている、オーバーツーリズムの問題があります。

地域にインバウンドをはじめとした観光客が急激に大勢集まってくることによって、
地元住民の生活が脅かされているのです。

オーバーツーリズムでは、
交通渋滞や交通事故、ゴミ問題、観光マナーの悪さなどが指摘されています。

「一部の人の利益のために、まちや地域や社会が犠牲になってもいいのか?」
「本当に地域のためになるまちづくりとは何なのか?」

今一度考え直す必要があります。

④サスティナブル(sustainable)なまちづくり

サスティナブルとは「持続可能な」という意味。

SDGsの11番目の目標は「住み続けられるまちづくりを」です。

住み続けられるまちづくりを|日本ユニセフ

かくいうSDGsも「Sustainable  Development Goals」の略称であり、
その意味は「持続可能な開発目標」です。

SDGsは発展途上国に限った話ではなく、
人口減少を進んでいる日本のまちづくりにおいてもとても重要な話です。

今の時代は「住み続けられるまちづくり」を考えていく必要があります。

大規模開発や急速なまちづくりには、
行政が許可を出したり、税金が投入されることも少なくありません。

ではなぜ行政はそのような開発やまちづくりを推し進めたり、
後押しするようなことをするのでしょうか?

いろいろな理由がありますが、大きくはそのまちの人口が増えるからです。

そして人口が増えればその分税収が増えます。

だからこそ、大型商業施設が各地にできたり、
今なお大規模開発によってニュータウンやタワーマンションが建設されたりします。

しかし、今は人口減少時代なので、一時的にそのまちの人口が増えたからといって、
日本全体でパイ(人口)が増えているわけではありません。

ただ近隣の自治体同士で人口の奪い合いをしているに過ぎないのです。

そのために、巨額な税金が投入されたり、無計画な開発が行われたりしています。

もちろん「より良いまちにしよう」とお互いが努力し合う
というのはとても良いことだと思います。

しかし、大規模開発や急速なまちづくりを行っても、
莫大な税金が使われ、さらに維持管理するものが増えるため、
長期的に見ればあまりよいものとは言えません。

一時的に人口が増えるからと言っても、
それは問題を後世にただ押し付けているだけで、
そのことによって苦しむのはその地域に住む人達の子ども世代や孫世代になります。

⑤シェア(share)なまちづくり

あなたはシェアリングエコノミーという言葉を知っていますか?

シェアリングとは「みんなで共有する」、エコノミーは「経済」を意味します。

すなわちシェアリングエコノミーとは
「モノや空間、スキルなどの資産を個人間で共有するサービス」です。

シェアリングエコノミーとは?|ソフトバンク

わかりやすい例でいうと、レンタサイクルやカーシェア。

昨今、モノや空間、スキルを有効活用できる
このシェアリングエコノミーが注目されており、
持続可能なまちづくりを進めて行くためにも、
シェアという考えが大切になります。

例えば、シェアキッチンというものがあります。

飲食店をはじめたり食べ物の販売を始めようとおもったら、
初期投資がたくさん必要となったり、
保健所の営業許可などの手続きがとても大変ですが、
シェアキッチンによって飲食の販売をしたい人たちが
手軽に商売を始めることができたりします。

シェアキッチンとは?

また、まちづくりを行っていくためには、あらゆる能力を持った人たちが、
一つの目標に向かって一致団結していくことが必要であり、
それは人材やスキルのシェア、ということができます。

また、今は一つの会社にだけ所属して仕事をするのではなく、
副業や複業が当たり前の時代です。

このような人材やスキルのシェアという考えは
地域のまちづくりを行っていくうえでとても大切な考え方なのです。

既存資源の活用、助け合い、働く場の提供など、
あらゆる場面でシェアなまちづくりが必要になっています。

⑥セレンディピティ(serendipity)なまちづくり

セレンディピティとは「偶然や幸運に価値を見出す能力」のことであり、
簡単に言うと素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見したりすることです。

このセレンディピティが今日のまちづくりには欠かせません。

まちづくりがうまくいっている地域では、
不思議とセレンティビティが多く存在しています。

「土地や空き家を安く貸してくれるオーナーが見つかった」
「協力してくれる仲間が見つかった」

セレンディピティはどのようにして生まれるのでしょうか?

それは常に
「ここで何か面白いことができないか?」
「チャンスが訪れないか?」

とアンテナを張っていること。

そして、積極的にいろんな人と出会って
やりたいことや夢を語っているからこそ生まれるものなのです。

人口減少時代のまちづくりに必要なこと

人口減少時代のまちづくりは、人口増加時代のまちづくりとは違い、
大量生産・大量消費なまちづくり、
大規模開発や急速な発展を目指したまちづくりではなく、
小さくゆっくりと、だけど着実に進めていける持続可能なまちづくりが必要です。

そして、それらは多くのモノや空間、ヒトをシェアし、
また素敵な偶然や出会いによって生み出されていきます。

そのためには、個人的な利益の追求のためのまちづくりではなく、
地域全体のことを考えたまちづくりを行っていく必要があるのです。

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