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全国の‟シャッター商店街”ランキング!中心市街地が衰退しシャッター化する理由とは?

ちゃぼけん

テレビ番組『水曜日のダウンタウン(TBS)』の
2023年9月20日放送分で、
‟全国シャッター商店街ランキング”が発表されました!

いつもはふざけた(?)内容ばかりを放送している「水曜日のダウンタウン」は、
若者に絶大な大人気を誇るバラエティー番組ですが、
今回の放送は社会派で、とても深い内容になっていました。

番組内容のギャップに驚きつつも、
普段は人からなかなか注目されないような社会的問題を、
このようなバラエティー番組で放送することは、
意義深いことだと思います。

今、全国の商店街がどういう状況になっているのか、
とてもよくわかるランキングだと思います。

それでは見ていきましょう!

全国のシャッター商店街ランキング

この‟シャッター商店街ランキング”は、
商店街の中にある全体の店舗数のうち、シャッター店舗の割合を
「シャッター率」として算出し、ランキング化しています。
(全国の商店街のうち、100m以上の商店街で撮影許可が出たものが対象)

ランキング結果は以下の通りです。

順 位商 店 街 名場 所シャッター率シャッター店舗数
/全店舗数
第1位スタープレイス柳ヶ瀬商店街岐阜県岐阜市84.6%159/188
第2位みその商店街和歌山県和歌山市81.8%90/110
第2位稲荷商店街大阪府大阪市81.8%18/22
第4位飾磨名店街兵庫県姫路市81.3%26/32
第5位青空ショッピングセンター宮崎県宮崎市79.4%27/34
第6位三和市場兵庫県尼崎市75.9%41/54
第7位桜井中央通り商店街奈良県桜井市66.7%8/12
第8位坂出本通り商店街香川県坂出市65.2%15/23
第9位鶴岡銀座商店街山形県鶴岡市59.8%52/87
第10位南市岡11番街大阪府大阪市港区57.7%15/26

ランキングの第1位は、
岐阜県岐阜市にある「スタープレイス柳ヶ瀬商店街」でした。

スタープレイス柳ヶ瀬商店街は、
全長300m、全盛期は約250店舗が営業していた商店街ですが、
現在は建物ごと無くなってしまった店も多く、
シャッター率は驚愕の84.6%です。

現在はたったの29軒しか営業していません!

一体どうして、まちなかにある、これまで大きな商店街が
シャッター化してしまったのでしょうか?

戦前、この通りには遊郭が存在しており、
その名残で代々、歓楽街として栄えてきました。

衰退の一番の理由は、
2012年にあった岐阜の国体にむけての市の浄化作戦だったようです。

風俗店が一斉に閉店、
それに伴い水商売以外の店舗も売り上げが激減し、
岐阜随一の賑わいを誇っていた商店街が、
一夜にしてシャッター商店街への変貌してしまいました。

ランキングを見て思うこと

ランキングのトップ10を見てみると、
シャッター率はすべて50%以上あり、上位はなんと80%を超えています。

ここまでくると、
「商店街として機能しているのか?」と疑問に思ってしまいますが、
それでも商店街には簡単になくすことができない特別な理由があります。

一般的に商店街はシャッター率が1割を超えてくると、
来客者が「ここは衰退している」という印象が強く持ってしまいます。
そのため、シャッター率が1割を超えた時点で、
客足がどんどんと遠くなり、その商店街は加速的に衰退していきます。

さらに、
人口が上昇傾向にある関東圏はトップ10にランクインしておらず、
トップ10に名を連ねているのは、
関東以外の都道府県にある代表的な市ばかりで、
人口減少、少子高齢化に直面しているまちが、
いかに深刻な状況になっているのかがよくわかります。

しかもこのランキングは、
一軒も営業していないシャッター率100%の商店街は対象外としています。
すなわち、ただの廃墟と化してしまった商店街も全国に存在するのです。

日本全国の商店街やまちがいかに衰退しているのかが、
よくわかるランキングだと言えます。

商店街がシャッター化する理由

ではどうして、
まちの中心にある商店街がシャッター化してしまうのでしょうか?

シャッター化してしまった商店街には、いくつかの共通点があるようです。

ランキングを参考に「商店街がシャッター化する理由」を以下にまとめました。

商店街がシャッター化する理由
  1. 商店街の老朽化
  2. 大型ショッピングセンターの出現
  3. 店舗の新規参入ができない
  4. 顧客の買い物行動の変化
  5. 行政の都市計画等の影響

①商店街の老朽化

実は全国の商店街は、戦前や戦後につくられたものが多いのです。

農村部から仕事を求めて都市部に出てきた人たちによってつくられたり、
戦後の闇市が商店街化したものもあります。

そのため、築60~70年以上が経っており、
多くの商店街は近年、建物などが激しく老朽化しています。

大雨や台風、地震などの災害のたびにダメージを負い、
建物が崩壊してしまったり、アーケードが撤去されたところもあります。

②大型ショッピングセンターの出現

1970~90年あたりで
全国各地に大型のショッピングセンターが次々にオープンしていきました。

以前は、賑やかで子どもは手を繋いでいないと迷子になるくらい
人が集まっていた商店街も、
次第にお客はショッピングセンターに流れていき、
商店街は徐々にシャッター化していきました。

また、第4位にランクインした飾磨名店街がシャッター化した理由も、
大型商業施設と関係がありました。

1970年頃大手企業が土地を取得し、土地の一角に大型商業施設を建設。
その後商店街エリアをつくり、出店者を募集しました。

しかし、その後核となる大型商業施設が撤退。
集客の要である大型商業施設が閉店し、
それに伴い商店街の店舗も徐々に減少。

その後、シャッター商店街となってしまった、ということなのです。

地域外にある大資本が運営する大型商業施設は、
収益が見込めないと分かった時点で、
すぐに撤退してきます。

このように、
大資本の影響によって翻弄されてしまう地元の商店街は、
全国各地に存在しています。

③店舗の新規参入ができない

商店街の特色として、店舗は住居と兼ねている場合が多くあります。
すなわち、店主とその家族は1階で店舗を構え、
店の奥または2階で住居を構え暮らしています。

実はこれがシャッター商店街になる最も大きな理由なのです。

廃業しシャッター店舗となっても、中では今も人が住んでおり、
1階の店舗を貸し出すことができないため、
常時シャッターが閉まっている、ということなのです。

一般的に、賃貸で店舗を経営している場合は、
店の営業を継続するか、撤退するかの2択を迫られます。

しかし、商店街の店舗兼住居は店主の所有物であるため、
店舗部分を貸し出さなくても、それで住むことさえできていれば、
誰も困らないのです。

④顧客の買い物行動の変化

第6位にランクインした三和市場は、
全盛期には54店舗が営業していたが、現在は見る影もなく、
全長150mの商店街に13店舗が営業するのみ、となっています。

以前は「阪神間の台所」として、
遠方からも多くの人が訪れており、
ものすごい人で前を進むのもようやくというぐらい賑わっていた、と言います。

では、なぜシャッター商店街になってしまったのか?

それは1995年に起きた阪神・淡路大震災が影響しています。

阪神・淡路大震災の時までは全店開いていたが、
売り上げの多くを支えていた遠方からの客が震災を機に、
復興も兼ねて各地元で買い物をするようになり、
客足が激減していきました。

三和市場の例は、
大震災の影響で顧客の買い物行動が変化してしまったわけですが、
他の商店街においても、
環境や時代によって顧客のライフスタイルが変化して、
商店街に買い物をしなくなってしまった、
というのはよくある話です。

一昔前は主婦の方が生鮮食料品や日用品を
毎日のように買い物するのが当たり前でしたが、
現在は共働き家庭も多く、
買い物は週末に車でスーパーやショッピングセンターに行く、
という人が多くなっているのです。

⑤行政の都市計画等の影響

自治体や行政の計画の影響によって、
商店街がシャッター化することもあります。

先ほど見た、シャッター商店街ラインキング第1位の
スタープレイス柳ヶ瀬商店街の浄化作戦もまさにそういった理由です。

駅前の再開発、道路の拡幅、都市の郊外化、規制緩和など、
いろんな政策によって、まちなかの商店街は少なからず影響を受けてきます。

小さな店舗の集まりである商店街は、
一度負の影響を受けると、そこから立て直すことは容易ではありません。

一つの政策で商店街は簡単に消滅させてしまうことができます。
それほど、行政には強い力があるのです。

商店街には「時代に合わせた変化」が必要

みてきたように、全国の商店街の多くは衰退してきており、
シャッター店舗が増えてきて、もはや消滅寸前のものの数多くあります。

そんな中、近年は衰退している地域の商店街の活性化を図ろうと、
いろんな取り組みが活発に行われているところもあります。

地域の商店街へ若い世代が買い物に出かけることはあまりありませんでしたが、
ここ数年、若い世代向けの店舗が増え始めている商店街も多く、
商店街の活性化が進んでいるところでは、
店舗の新陳代謝が行われています。

商店街の中にある空き店舗を積極的に若い人たちに貸し出して、
商店街全体のリノベーションが行われているのです。

地域の人に必要とされているものは時代によって変わっていきます。

商店街もその変化にうまく順応していけるかどうかが、
その商店街の未来に繋がっていくのです。

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